Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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担当- 瀬津 勇人

日付- 2012年03月23日

CROSS「UXのイロイロ」セッションに登壇しました

「エンジニアサポート新年会2012 CROSS (以下、CROSS)」の「UXのイロイロ」というセッションにパネラーとして登壇しました。
(全部の様子はムービーをご覧ください。)


■UXって?

UXは、User Experience の略で、直訳すると「ユーザーの経験」となるのでしょうか。
おもにデザインに類するテーマだと思われているようです。
しかし、Experience = 経験 なのに
デザイン観点(サイト構成、UI、画面の配置 など)だけで「経験」と言ってるのはおかしくないか?
というふうに思ったわけです。

セッションのスライド

グーグルでしらべてみると、あっという間にまとめサイトが出てきました。
実にわかりやすくまとめられています。

ここで私が注目したのは下記の図です。

レイアウト/デザインだけの話ではなくて、スピードや快適性、書かれている内容の信憑性、信頼感、利用したときの気持ちよさ などもユーザー体験に影響する、重要な要素だということです。
表示速度レスポンスや、「混んでて繋がらないことがない」など、エンジニアの扱う領域(サーバーの堅牢さ、挙動が軽快 など)も多い。

また、ボタンの大きさとか、クリックした感じ とか、もしかしたらBGMがいいとか、文章がおもしろい とかで、「ユーザーの経験」をぐっと心地いいものに変えてくれる可能性もあるわけです。

画面デザインだけでは解決しないことも多い
ということかもしれない。
例えば、文字だらけの込み入った「ヘルプ」より、印刷された「説明シート」のほうがいいかもしれない。


■IT技術やデザインだけで解決しようとしない

セッションのスライド

私は UIやレイアウト(=いわゆるデザインを考えること)と同じくらいに

「利用する人は、どういう感じ方をするか」
「利用者はどんな人なのか」

を考えるのは、「ユーザーの経験」を演出する上で、すごく有効なのではないか?と思います。
なんでもかんでもデザインや技術だけで解決しよう とするのは、無理がある。

私たちは、ウェブエンジニアやウェブデザイナー である前に、サービスや商品の担い手 であるはず。

だからこそ、ユーザーその人の状況をイメージすることがとても大切だと思います。 「UXを考える」というのは、言ってみれば、ユーザーの体験を作ること 演出すること かもしれません。

ある個人の置かれている状況をイメージしてサイトや、サービス、アプリ で「何を感じさせる」か? 「どんな経験をしてもらう」か?
これが「UXを考える」ということだと思うのです。

そのときに、いわゆるデザインや、ウェブやITの技術だけで、解決法を探すのではなく、それ以外のことも考えると、ぜんぜんトクだと思います。

セッションのスライド

■事例1/「LINE」というアプリ

このUXのセッションで登壇した、NHN Japan 株式会社の本田さんと橋本さんに聞いた話が印象に残っています。
彼らの作っている「LINE」というコミュニケーションツールは、一気に1000万人にダウンロードされたそうです。その利用者の中心が若者。

この「LINE」は「スカイプ」のような無料通話機能と、チャットを組み合わせたようなツールで、「スタンプ」という絵文字会話みたいな、おもしろい機能もあります。

実は、このアプリが、たくさんの人に利用された理由の一つが
「軽いから」
なのだそうです。つまり、「ダウンロードの時間が短い」ということ。

なんと、本体アプリの、機能や、デザイン以前の理由で、ダウンロードされる/されない があるのです。
スカイプや、ほかのアプリは、スマートフォンの3Gでダウンロードするには「重すぎる」から選ばれず、LINEは「軽い」から選ばれた というのです!
「アプリ以前の問題を解決した」から選ばれたわけですね。

事実、彼らは、作ったアプリを、3G回線で軽快にダウンロードできるかを検証しています。
総合的にこれを使うであろうユーザーの置かれている状況、志向を研究し、まさに、UXをよく考えた上で、作られたアプリが「LINE」ということですね。
だからこそ、こんなにもたくさんの人に使われているのでしょう。


■事例2/「#おいしいもの」

このセッションで、私が紹介した「#おいしいもの」という作品。
「東京デザイナーズウイーク」で、私たちが作ったインスタレーションです。

これ、「ラーメン」で検索すると、「ラーメンの画像が出る」 だけ。
事実 技術的には、これだけの話なんです。
でも、すごくおもしろがられた。
・みんな、おいしいものは、そりゃ好きだ。
・ラーメンやカレーはイメージしやすい
・Twitterがどんなものか、なんとなくわかる

そんな人たちが集まる会場で
・リアルタイムで出る!←いまラーメン食べてる人の画像 
・毎度違う画像が出る。←最新20件
・なべをコンロにかけるという行動 ←およそネット/コンピューターっぽくない
を作った=演出した わけです。

だから、おもしろがられた。

これも「UXを考えた」例かもしれません。

こんなふうにサービスを考えるときに、ソフトやサイトそのものを考える前に、その周辺をよく考えることは、とても有効だと思います。
それが「UX」を考える ということではないでしょうか。