Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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担当- 柳沼 志帆

日付- 2012年04月05日

SMW:【ややこしい問題を解決する「統合知」という方法論】の巻

ソーシャルメディアウィークとは?

「ソーシャルメディアを利用したマーケット開発」を目的に、2009年2月からニューヨークで始まったイベント。
現在では、ソーシャルメディアの認知・利用を高めることを目的とする内容に変化しており、業界以外の一般の人も多く参加、全世界で約3万人を動員する巨大なイベント(※)となっています。日本では、世界から遅れること4年、2012年2月に開催されました。
初めての開催にもかかわらず、期間中、数多くのセッションで盛況を呈したソーシャルメディアウィークジャパン。私たちが参加したセッションの中で何を見てきて何を感じたか? 印象に残ったものを取り上げて、紹介します。
※参考資料:Social Media Week Tokyo パンフレット

Vol.01:【ややこしい問題を解決する「統合知」という方法論】の巻
Vol.02:【ソーシャルなキャンペーンってどうでしょう?】の巻
Vol.03:【急成長するソーシャルゲーム市場における勝ち組が語る未来】の巻

■ソーシャルメディアウィーク:【ややこしい問題を解決する「統合知」という方法論】の巻

こんにちは、やぎぬまです。2/15にソーシャルメディアウィークのセミナーに参加してきました。行きたいナーと思って参加できなかった人も、なにそれ?という人も、その様子がなんとなく分かるよう、私が参加したセミナーの内容をまとめて記載しましたので、読んでみてください。
長いので、面倒な人は、文末の感想部分だけでもどうぞ!


◆セミナーレポート◆
【ややこしい問題を解決する「統合知」という方法論】 株式会社インテグレート COO 山田まさる氏

登壇者は、マーケッターの人。セミナー内容は、タイトルとシラバスから想像していたのと違い、実例を交えた、コンテンツの考え方と発想について でした。内容は下記のとおり。

1)今時の統合型コミュニケーション

自分の会社の説明を兼ねて。企業のブランディングとマーケティングを請け負う会社なので、今回はマーケッターの視線から、プランニングについて話したい。

以前から、クライアントが目標とするもの、テーマは変っていないと思う。変ったのは、試合会場。環境や、戦う土俵だと思う。昔であれば、いわゆる「4大メディア」に頼っていれば、なんとかなった。が、今は、ネットやソーシャルメディアがでてきて、「メディア(土俵)」をニュートラルに捉えて考えていく必要がある。


2)マーケティング環境としてのソーシャルメディア論

山田さんが以前、請け負った例として、カヤックの「こえ部」の案件についての事例紹介。

◆事例のいきさつ

こえ部」自体は、ニッチな向けのSNSで「声優や、歌手、ナレータータレントなど、声で一旗あげたい人たちが集まるコミュニティ」だった。すでに、ニコ動などとコラボしたりして、ほぼコアターゲットである声優志望、アニソン好きな人たちは網羅していた。(35万人ほど)

オーダーは「こえ部」をもっと広くリーチさせて、多くの会員獲得を目指したい。というものだった(ちなみに、これをやって、カヤックがどういうビジネスを考えていたかまでは話してもらえず)。
そのため、一般の多くの人に認知してもらうための、「サイトをメジャーにするストーリー」と「3ヵ月のキャンペーン」、「広報や、webプロモーション、マスに取り上げられるためには?のメソッド」をお手伝いした。

【成果物】
・会員増加:35万⇒49万
・PV数(4/25~7/22):5948781PV
・VQチェッカー(いい声かどうか判断してくれるアプリ)DL数(5/8~7/22):3200000
・「こえ部」カフェ(渋谷に展開。店員が声優)
・取り上げられた媒体:テレビ:13件、ラジオ10件、新聞:10件、web:176件
※Twitterでバイラルされて、ずいぶん広まった。


◆考え方の方法論

第1段階:「声」について、過去どういう報道があったか、世の中的にどういうふうに「声」が捉えられているかについてリサーチした(この段階では、無料で手に入る情報レベル)。

世の中的に「よい声」が注目されている。就職、コミュニケーション、モテるなど、「相手に好印象を持たれるための美声、よい声」に関する本や、セミナーがたくさんあった。

「人生をよくするための声」「高感度をあげる声」を中心に考える、がフックが弱いので「モテる声」ということを足して、最終的に「モテ声」をキーワードにして考えた。

第2段階:「モテ声」に関して、どんなストーリーができるか? を考えて現実にする(お金と時間をかける。「モテ声」を真面目に考える「声総研」をカヤックが作った。大学の先生に協力してもらい、「本当にモテる声」があるのか、どういう声がモテるのか、など調査した。

ここから出たアイデアで、VQチェッカー、モテ声カフェ(声優が接待したり、ボイストレーニングのワークショップが体験できる)が生まれた。モテ声カフェのオープニングには、いわゆる「モテ声の大御所タレント」をアサインした。(メディアに取り上げられるきっかけ作り)山手線の駅前の立地を選んだのも「何、あれ?」とバイラルしてもらうため。

※どこまでやらないとダメなのか? を相当考えなくては、ダメ。メディアをニュートラルに考え、使えるものはすべて使う。ストーリーを実現するために最善の組み合わせを考えてやっていくのが大事。


3)ややこしい問題を解決するには?

統合知とは、"一般から広く募るものではない"
企業、個人の理念、行動指針

日本の場合、トップダウン型(ヒエラルキー型)はなくならない。ネットワーク型の車座がよいとされるが、両方大事。
両方の良いところを臨機応変に使い分ける。それよりかは…
「プラットフォームを作る、メディアの重要性」に注目すべきと言っていた。
ターゲットが「参加性」や「事件性(目撃者)」になることが大事。
問題解決には、「プラットフォームを作る」こと。


◆質疑応答

Q:プランニングをしていく上で、いろいろ建てた仮説から、具体的に落とし込んでいくプロセスは、どのタイミングで決定するのか?

A:どこのタイミングで、というのはない。ヒアリングをしている中でのアイデアや、実際に人に聞いてみることによって、実現可能か否かが見えてくる。なので、重要なのは、本当に人に聞く(人にあって、リアルに会って、話する)ことだと思う。仮説を作ったら、専門家にリサーチ、具体的にする。 これができれば、ストーリーが作れる。


◆感想

タイトルとシラバスから想像していたものと違う内容だったので、最初は「あれ?」と思ったのですが、創造力とオリジナリティを武器にしている「カヤック」でも、ビジネスを考えてコンサルを入れているのだということを知ったことが収穫でした。
渦中にいる人間(実際にサービスを作っている側の人間)だけでなく、サービスそのものや、全体のストーリーについて「どうすればより先にいけるか?」を考えた時に、検証する意味でも外部のコンサルと組んでやる方法論はアリだなと思いました。不得意な部分(あくまで「部分」で全部ではない)は得意な人や会社に任せるというのは賢いやり方ではないでしょうか。