Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

アイコン画像

担当-

日付- 2012年06月09日

【ぴよぴよ通信第4回】 「佐川美術館」に行ってきました!

ぴよぴよ通信
ひよこデザイナー2人が日々勉強しているデザインのこと、展示のレポートなどをお届けするレポートです。


こんにちは。
今回は、GW中に行った「佐川美術館」が
とても素敵な場所だったのでご紹介します!
本当に心が動かされる美術館でしたので、ぜひ機会がありましたら遊びに行ってみてくだい!

【目次】
■美術館紹介
■建築空間の美しさに触れる
■展示物そのものに触れる
■五感の存在を知る


■美術館紹介

佐川美術館は、遠くに比叡山・比良山を仰ぎ、目前に琵琶湖をのぞむ風光明媚な地にあります。
敷地に入ってまず眼に入るのは、辺り一帯の水庭。
その中央に浮かぶようにたたずむ3棟の建物は、
平山郁夫(日本画家)、佐藤忠良(彫刻家)、樂焼左右衛門(陶芸家)の一人一人の展示館になっています。

佐川美術館(滋賀県 琵琶湖の近く)


■建築空間の美しさに触れる

佐川美術館は、建築物のデザインに定評があり、
グッドデザイン賞(施設部門)、JCDデザイン賞など他にも多くの受賞を得ています。
その中でも私が好きだったのは、下記二つです。

【広大な水庭】
風に揺れる広大な水面の音の中を通り抜けて入り口に向かう時間は、
ざわついた日常の世界から、静寂で特別な空間に入りこむような、
どこか神聖な感覚を覚えさせられます。

また私が美術館に訪れた日、にわか雨が降り出しました。
館内から眺めた一面の水面には、
数千、数億個の波紋が絶え間なく花開くように広がっては消えていきました。
人工的に作られた平らな水面(静)と雨の波紋(動)のコントラストが美しく、
絵画では描ききれない大スケールで展開されるその景色に、いつまでも見入ってしまいました。

【展示物に寄り添った展示空間】
3人の芸術家達のために存在する3棟の建物は
それぞれの作品調に添って床や壁の質感や素材を変えています。

また、自然光を取り入れたり、淡い電飾のような光を用いたりと、
展示物それぞれを引き立てるための最善の光が用意されていました。

展示品そのものに、力があってこそ美術館が成り立つわけですが、
それらの展示品を活かすも殺すも、
周囲の空間の力は大きいということを改めて意識させられました。


■展示物そのものに触れる

建物そのもののデザインも素敵ですが、
展示品もとても興味深い内容がそろっていました。
その中でも私が特に心動かされたのは、
佐藤忠良という彫刻家の展示でした。

佐藤忠良とは、「大きなかぶ」の絵本の挿し絵を描いたことでも有名な彫刻家です。
佐川美術館の中では、彼の彫刻物の一部(といっても結構多くの展示物を)を触わることが許されています。

「芸術品に触る」ということは、
「ただ見る」以上に感じさせられることが多く、
その感覚に自分でも驚きました。

複雑な曲線と一筋のラインの混じり合う人体の造形や、
作者の人体と彫刻への眼差し、
そして作品に向かう作者の仕事の形跡を、
自分自身も手に取るように感じとることができるのです。

そしてさらには、
普段は何気なく触れている人体の
普遍的な美しさにも気づかされました。


■五感の存在を知る
佐川美術館を後にして感じたこと、それは自身の「五感の存在」です。

水面の音を聞き、水庭や作品や光を見て、作品に触れて、
作品を触れた手にはブロンズのにおいがほんの少し香ります。

これだけ多くの五感を刺激してくれる美術館というのは、
近年なかなか少ないのではないかと感じます。

そして自分自身の五感の存在に気づくからこそ、
普段の生活で、「感じること」に無意識になってしまっている自分に
改めて問い直す機会となりました。

人間の感じる力(インプット)こそが、
あらゆるモノ作り(アウトプット)につながっていくと
私は考えています。

ついついパソコン相手に平面作業が多い仕事の日常の中で、
不意に窓の外から見える外の風景や肌に感じる初夏の日差し、
お昼ご飯の味や香りなどを、
きちんと意識的に感じようとする姿勢を改めて再認識させられました。

佐川美術館、滋賀県にあるので東京からは少し遠いですが、
機会がありましたらぜひ足を運んでみてください。

とても心地よい空間の中で、
いろいろと感じるところが多くある素敵な美術館です。