Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

アイコン画像

担当- 赤池 智美

日付- 2012年08月09日

【ぴよぴよ通信第10回】 街が見える映画

ぴよぴよ通信
ひよこデザイナー2人が日々勉強しているデザインのこと、展示のレポートなどをお届けするレポートです。


今回はちょっといつもと趣向を変えて、私の好きな映画について書きます!

「街が見える映画」

【目次】
■「ミッドナイト・イン・パリ」を観て感じた「街」
■「街が見える映画」の紹介!~パリ・ニューヨーク、東京~
■まとめ


■「ミッドナイト・イン・パリ」を観て感じた「街」


先日、映画館でウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」という映画を観てきました。

【ミッドナイト・イン・パリ】

その名の通り、パリが舞台の映画。
主人公はパリが大好きなアメリカ人で、異邦人の目から見たパリの魅力を伝えているため
日本人でも入り込みやすいユーモア溢れるかわいい作品になっています。

最初出だしはパリの名所の無数のカットから始まります。
この時点でパリに行ったことがある人は「ああ、あの場所であれをした!懐かしい!」と思います。
私も2年前に行った数々の場所が出てきて、映画の世界にかなりのめりこんでしまいました。

この後ストーリーはオランジュリー美術館や蚤の市などよく知られている場所を舞台に展開していくのですが
パリに対し、懐かしいというか本当にまた行きたいというか、なんとも切ない気持ちになりました。

このように「街」が舞台の映画は他にもいくつも存在します。
今回はそんな「街」が魅力的に描かれている私のおすすめの映画を紹介していきたいと思います!


■「街が見える映画」の紹介!~パリ・ニューヨーク・東京~

★パリ★

パリ続きで、どうしても紹介したい映画からまずお話したいと思います。
ビフォア・サンセットというラブストーリーの映画です。

【Before Sunset】
※日本語訳のものが無かったです…

数年ぶりにパリで再会した恋人2人の会話劇からなりたつ映画です。
ラブストーリーと言っても本当に2人がしゃべっているのがほとんど!

再会したその瞬間から日暮れまでパリをずっと歩きながら、2人はお互いの話をしていきます。
会話劇がとても秀逸で、はじめ再会した喜びから、次には会話だけで、お互いの社会への思想、ズレにまで発展していきます。
最後お互い別々のパートナーがいる中で友情とも愛情ともとれる新しい信頼関係を気付き終わります。

2人が歩いたプロムナード・プランテという遊歩道があるのですが、ここのシーンが美しすぎて、ここ目当てに私はパリに行きました。
実際行ってみても、光がきれいにさす本当に魅力的な場所でした。

パリやニューヨークの都市を映した映像を見ているとなんとなく印象に残るのが
乳白色に近い「ベージュ」色です。
建物の壁の色や光の当たり方がその印象を与えているようです。


★ニューヨーク★

続いてニューヨーク。
ニューヨークを舞台にした映画はほっんとーにたくさんあります!
そのなかでもいつも描かれているファッショナブルな印象とは違った、
人々の息遣いが感じられる「ニューヨーク」を感じた作品を紹介します。

【サブウェイ123 激突】

地下鉄ハイジャックの映画ですが、コッテコテのアクションにベタなアメリカの演出が売りです。
コテコテですが監督のトニー・スコットはアクションを非常に緻密に計算しちょっと乾いた目線で描きます。
交渉人(主人公)は普通の民間人だったり、ハードボイルドなヒーローはいませんし、そこにこの映画の面白さがあります。

血が飛び散るシーンが多い中、 交渉役の主人公と刑事がヘリに乗って犯人接触直前、ニューヨークの街を見渡すシーンがあります。
2人とも表情を変えず「…いい眺めだ。守りがいのある街だ」と言います。
このシーンでニューヨークの街を一番感じられます。

その他にもマンハッタンへの身代金輸送パトカー激走シーンなど迫力いっぱいのニューヨークが見れました。

ニューヨークそのものに恨みを持つ犯人像や、行き交う市中の人の姿など含め、乾いたニューヨークの描写が印象的だったので選びました。
特に顕著に感じられたのは鉄橋や鉄道、古い建造物などの「茶色」のニューヨーク。
パリのベージュの街の色とはまた違った味を出しています。
(さっきあげたBefore Sunsetのトレーラーと比べるだけでも結構わかると思います)


★東京★

さて我らが日本、東京。
ここではあえて今の東京ではなく、少し昔の映画を選びました。

【早春】

日本戦後の代表的な監督、小津安二郎の作品です。
「東京物語」などが代表作ですが、この「早春」では特に東京の姿が印象的に描かれています。

さきほどあげたYoutubeの映像を少し見てもらうだけでもわかると思うのですが
当時の東京の繁華街のいくつかのカットから始まります。
主人公は蒲田在住で京浜東北線で丸の内まで勤務していて、
民家や会社など、庶民の暮らしぶりが丁寧に描写され、
今の東京が成り立つ以前の姿を手に取るように感じられます。

ストーリーも興味深く、若い夫婦が幼い子どもを亡くした数年後、という設定です。
夫の働く姿とその仲間、家で待つ妻の姿…
など、数十年経った今でもあまり変わらない東京の人々の生活と感情を観ることができました。

この映画はモノクロですが、現代の東京の映画を観ていると
パリのベージュ、ニューヨークの茶色に比べて「グレー」が私は出てくるように感じています。
アスファルトの色やビルの色がコンクリートのこの「グレー」を出しているのでしょうか。
ちょっと無機質な印象も受けます。


■まとめ

上にあげた3つの都市だけでなくほかにも世界中の都市を舞台にした映画は多くあります。
街が舞台でないと映画が成り立たない、というわけではないのですが、
街の姿は映画の大きなエッセンスとなりえます。

魅力的に街を描いた映画は、実際いったことのない街でも、
主人公の生活と一緒にその魅力を十分に味わうことができます。
(実際私はニューヨークに行ったことないですがある程度知った顔できます)

「街」視点で映画を楽しむのもひとつの手ですので、ぜひおすすめします。