Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

アイコン画像

担当- 鈴木 里奈

日付- 2012年08月09日

【ぴよぴよ通信第11回】 「次世代を担う、働き方」 遠山正道 トークショー

ぴよぴよ通信
ひよこデザイナー2人が日々勉強しているデザインのこと、展示のレポートなどをお届けするレポートです。


今回は、6月25日、青山ブックセンターで開催されていた
「次世代を担う、働き方」遠山正道 トークショー』についてのレポートです!

【目次】
■株式会社スマイルズのデザインへの憧れ
■仕事に美意識を持つ
■自分らしさ


■株式会社スマイルズの仕事への憧れ

食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」
新しいリサイクルショップ「PASS THE BATON」
キュートなネクタイ「giraffe」

以前から、店舗やDMなどのデザインに憧れていたお店たちが、
「遠山正道」というひとりの社長によって世に生み出されていることを知ったのは、
「Soup Stock Tokyo」のデザインについて調べたことからでした。

遠山正道さんが立ち上げた株式会社スマイルズが生み出すデザインたちは、
素朴でありつつも上品で美しく、優しさが感じられ、私にとって、憧れの存在となりました。
そしていつしか私に、「衣食住にとけこむデザインの大切さ」という
新しい視点を与えてくれました。

こんなデザインを発信するお店を運営している遠山さんとは、一体どんな人物なのか?

そんな興味から、今回トークショーに参加してきました。


■仕事に美意識を持つ

トークショーは、雑誌BRUTUSの編集者である伊藤総研さんが、
会場の人から記入方式で募集した質問を遠山さんに問いかける進行方式でした。
ところが遠山さんは、質問に答えていくうちに、仕事の話に熱が入ってしまい、
いつしか質問から少々脱線してしまうことが多々ありました。
しかし、そんな姿こそが不思議と魅力的で、むしろ遠山さんの仕事への情熱が感じさせられ、
さらには愛嬌までも感じてさせられてしまうという不思議な存在感の方でした。

トークショーを聞いていく中で、一番の発見は、次のようなことでした。

私がスマイルズのデザインに対して憧れを抱いていたのは
「デザインのセンスが良いから」ではなく、「しっかりとした意思の上に生まれたデザインだから」
ということです。

「Soup Stock Tokyo」、「PASS THE BATON」などはそれぞれに、 素敵なコンセプトがあるのですが、
その根本には、スマイルズの企業理念がしっかりと根付いています。

それは次のような理念でした。

*****************************************************************
スマイルズの企業理念は、「生活価値の拡充」です。
慌ただしい日々の中に見落とされている当たり前のことに、新しい価値を見出し、
それを丁寧に磨きあげて、ひとりでも多くの方にお届けしたい、
そういう思いを企業理念に込めています。

*****************************************************************


トークショー中、遠山さんはこの理念に対して、誇らしげに、筋を通して、
生き生きとお話をされている姿がとても印象的でした。

そしてこの「生活価値の拡充」という理念に対して、
しっかりとした事業運用、人材育成、ブランディングに注力しているからこそ
人の心に響く芯が通ったデザインが生まれていることに気づかされました。
特に人材育成には、「その人が、その仕事をする意味」というものを、すごく大切にされていました。

さらには、仕事をしていくにあたり、次のようなお話もされていました。

「仕事の中に美意識を持つ」というお話です。
その美意識とは何か?
それは、その人が、仕事に対して、いかに譲れないものを持ち、
誠実に向き合い、腹をくくって熱意を注ぎこんでいくか、ということです。
そしてその美意識を軸に、新しいものを生み出すことが、仕事の醍醐味だともお話されていました。

ここで改めて、「美意識」という言葉を辞書で調べてみました。

「美意識=美に関する意識。美しさを受容したり創造したりするときの心の働き。」

仕事に理念を掲げるまでは、誰にでもできることかもしれません。

また、デザインの中や、アートの中に「美意識」を持つことも誰にでもできることかもしれません。

しかし、「仕事の中に美意識を見出す」という感性を持った遠山さんの仕事への姿勢には、とても憧れるものがありました。


■自分らしさ

今回のトークショーでは、少し驚きの演出がありました。

会場に足を踏み入れた途端、会場一面に広がるおいしいスープのにおい。
なんと会場では開演までの時間、「Soup Stock Tokyo」の温かいスープが配布されていました。
平日19時からのトークショー。
ちょうど小腹も減っていた観客たちにとって、ちょっと幸せになれる瞬間でした。

また、帰宅時にはドーナツのお土産が!
新規事業として注力している「COCO DONUT」の商品をお土産に持たせてくれたのです。
そのドーナツは意図的に半分だけ…。
「おいしいドーナツの残り半分は、お店まで食べにきてね」というメッセージが込められていました。

まさかのサプライズプレゼント。
こういう「予想以上のおもてなしの演出」の心意気の中に、
スマイルズの企業理念に成り立つ、社会との関わり方の秘密が隠されているようで
とても印象に残りました。


また、最後に遠山さんにどうしても質問したいことがあって、聞いてみました

「遠山さんは、デザイナーに必要なものは、何だと思いますか?」

私は将来、遠山さんのような事業主に選んでもらえるデザイナーになりたいのです。

その答えはとてもシンプルでした。

「“その人らしさ”だと思います。クライアントの要求に応えられるデザイナーさんも必要だけど、
私は、その人の個性があるデザイナーさんが好きです。」

夢や理想をならべるだけではなく、私なりのデザインへの美意識、
私なりのデザインという仕事への美意識、私自身の生き方への美意識を見つけ、
そして貫きながら、素敵なデザイナーに成長したいと強く考えさせられたトークショーでした。

みなさんも、ぜひ、スマイルズの仕事への向き合い方、一度見てみてください。