Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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担当- 赤池 智美

日付- 2012年08月09日

【ぴよぴよ通信第12回】 佐藤直樹氏のトークショーに行ってきた

ぴよぴよ通信
ひよこデザイナー2人が日々勉強しているデザインのこと、展示のレポートなどをお届けするレポートです。


今回は7月21日に青山ブックセンターで開かれた、 佐藤直樹氏のトークショーに行ってきたレポートをお届けします。


【目次】
■イベント概要
■佐藤氏と津田さんのやり取りで進むトークショー
■トークショーを見て感じたこと


■イベント概要

今回のトークショーは、『レイアウト、基本の「き」』という、デザインの基本を解説した本の刊行記念に行われました。

この本の著者である佐藤直樹さんは、肉体労働から編集までのさまざまな職業を経た後、
27歳でデザインをスタートしたという経歴の方です。
(自分でもスタートは遅かったとおっしゃっていました。)
今ではデザイン会社「ASYL(アジール)」代表、多摩美術大学准教授などさまざま行っています。

青山ブックセンター内の売り場の間で行われた立ち見のトークショーでしたが、
通路に溢れるくらい多くの人が集まっていました。
20代後半から30代前半くらいの若い方が多かった印象です。
笑いもたくさんおきるカジュアルな形のトークショーでした。


■佐藤氏と津田さんのやり取りで進むトークショー

企画・編集を担当した津田淳子さんが司会で、Twitterやその場で集められた質問に
佐藤直樹さんが答える形式でトークショーは進んでいきました。
さまざまな本の編集とデザインを担当してきた2人は付き合いが長く、
始終2人の軽妙なやり取りが会場の笑いを誘っていました。

その中から私が気になったやり取りをいくつかピックアップしていきたいと思います。
トークショーでの私のメモからの抜粋なので、ご本人のお言葉や解釈と大きく違う部分があるかもしれませんが、あしからず…


Q.文字情報が多いデザイン物はどうしたらいいですか? A.(佐藤さん)テキストをもらったときが勝負。企画や編集の方に、打ち合わせのとき聞くといい。
「これ要りますか?」とか「こういうことですか?」と。
そしたら案外「あ、そうとも言えますね」とか「そこは言い回しに困ってたんです」という返事が返ってくることが多いから。
だからそのときラフを描いて安心させてあげるのが一番だと思います。
あと、文字情報が減らないなら多いことを活かしたデザイン、ていうのも考えられるよね。
さらにいうと、最近どうもデザイナーって偉そうにしすぎじゃないかな、と思うときがあります。
企画や文章を渡してくる人に対してケチをつけるきらいがあるというか。気をつけたいですよね。


Q.デザイン案をクライアントに提出するときは複数案だすのがよいですか?? A.(佐藤さん)クライアントによりますね。
初めて一緒に仕事をするクライアントは複数案出した方がいい。
まだコミュニケーションの取り方をお互いわかってないから。
お互いよく知った仲なら「これでどう?」とこだわった案をひとつ提出するっていうのが多いかな。
津田さんとはそういう仲ですよね。むしろこんなデザインで驚かせてやろう、て思うくらい(笑)


Q.デザインで行き詰ったときどうしてますか? A.(佐藤さん)最近は行き詰るのを気にしなくなってきました(笑)
昔デザインをやり始めた頃は、行き詰ってる暇もなかったですね。
デザインのひきだしを作るのに精一杯。
病的に目に見えるもの、文字組みとかポスターとかすべて分析したりしてました。


Q.今までの津田さん(司会者)との印象的なお仕事ってなんですか A.(津田さん)最近の「デザインのひきだし」の表紙をよく覚えてます。
休日返上で佐藤さんが天丼のイラストを仕上げてきてくれて。
でも印刷の仕上がりを見てすぐにボツに決定されて、
違うイラストレーターさんに仕事を急遽お願いしてギリギリで仕上げましたね。

(佐藤さん)大きな軌道修正はよくあるよね。
一発で決まるのはそれはそれでいいんだけど、大きな修正は特になんとも思わないというか、
そうなったら急いでいいものに仕上げるだけかも。


■トークショーを見て感じたこと

今回のトークショーはとにかく最初から最後まで、佐藤さんと司会の津田さんとの
やり取りが楽しくてあっという間にすぎていきました。

お互い信頼しあっているので冗談を交えながらも、きちんとデザインの本質を捉えたお話をされていたような気がします。

佐藤さんは終始編集者や企画者とのコミュニケーションや信頼関係を大事にするようおっしゃっていました。

「きちんと任せてもらえるよう打ち合わせでラフを描いて安心してもらう」
「ひとつの仕事で、役割分担を意識し、デザイナーはデザインの領域での責任感を大きく持つべき。
最近の流行で、デザイナーがマーケティング視点を持てとか言うけど、まずは視覚伝達の領域で専念すべきだと思う。」

などという言葉に表れていたような気がします。

そのような言葉に、編集者の津田さんは大きくうなずいていらっしゃいました。

しっかりとしたコミュニケーションがとれた上に期待に応えるデザインが産まれてくるのだなあ、
と感じられた2人のやり取りでした。

これから私もデザイナーという役職の上にあぐらをかかず、このような楽しい信頼関係を色んな人と築いていきたいと思います。