Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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担当- 鈴木 里奈

日付- 2013年03月08日

SMW:CMプランナー 高崎卓馬さんの言葉

ソーシャルメディアウィークとは?

2013年2月18日~22日まで、ニューヨークをはじめ、世界10都市で
同時開催された「ソーシャルメディア」を考える巨大イベントが「ソーシャルメディアウィーク」です。
初のイベント開催から4年目の今年のテーマは「オープン&コネクテッド=開かれて繋がる」。
世界をよりコラボレーティブにしてゆく7つのキーワードを主軸にし様々なカンファレンスが行われました。
※開放性、包括性、透明性、協同、共創、連携、アジリティ

数多くのカンファレンスの中で、イベントに参加したクリエイティブデザイン部員の多くがチョイスしたのは、2月20日に行われた
物語とソーシャルメディア」の回でした。広告業界の人たちが語るソーシャルメディアについての講演です。
こちらの回について、カンファレンスの概要と、参加者の感想を掲載していきたいと思います。

■人の心に残る「物語」 / 赤池(デザイナー)
■CMプランナー 高崎卓馬さんの言葉 / 鈴木(デザイナー)
■消費者への「伝え方/伝わり方」 / 村上(ディレクター)
■メディアの特性に気づくこと / 柳沼(ディレクター)

■CMプランナー 高崎卓馬さん紹介

東北新幹線」のCM、皆さんは見覚えありませんか?

東京出身の新米社員であるため「トーキョー」というあだ名で呼ばれる三浦春馬さんが、
吉幾三さん、泉谷しげるさん、新井浩文さんらの豪華な青森出身のキャストに囲まれて
成長していく心温まる物語です。

この「東北新幹線」のCMを手がけられた電通の高崎卓馬さんは、
CMプランナーとしてだけではなく、
映画「ホノカアボーイ」の監督をしたり、
小説「はるかかけら」を執筆したり…と、
物語性に関係する媒体にマルチに活躍されている方です。

■「物語性」のあるクリエイティブ

「物語性」のあるクリエイティブについて、高崎さんは次のような思いを話されていました。

物語は、ただの情報と異なり、人の心に響きやすく、
ずっと残る体験を提供することができる。

(中略)

僕は、映画みたいなCMを作ることをやり抜きたい。
自分にしかできないミッションだと思っている。
「広告」というミッションに最上級に答えるCMを作りたい。
映画を超えた新しい物語を作りたい。

そんな高崎さんが作ったCMの中でも、
東北新幹線のCMの話についてご紹介します。

■JR東日本《MY FIRST AOMORI》の話

・東北新幹線の広告を作る意味を考える

この広告案件を担当するにあたり、まず感じたことは、
「新青森は思いのほか、閑散としている。」という現状でした。
その状況に対して高崎さんは、
お客が降りる駅を作ることがJRのメリットになると捉え、
「新青森をみんなが知っている観光スポットにしよう!」と思ったのが、
発想のきっかけでした。

そして今回の広告のミッション=(イコール)
「青森に人を動かし続けることである(経済も人も)」、
というゴールに向かいクリエイティブの構想を練り始めました。

・どのように物語性を組み込むか?

青森の土地柄を調査したところ、
「TVを見る人が多い」ということが分かりました。
(ミュージックステーションなどは、視聴率40%に到達することも!)

そのような土地柄なので、CMの影響力を最大限に生かす広告を作りたい。
そう考えた時にヒントになったのが、「朝ドラ」でした。
朝ドラのように、連続性をもった短編ストーリーにすることで
青森全体のCMへの愛着やテンションをあげていこうという考えたそうです。

こうして《MY FIRST AOMORI》のストーリーが生まれたのです。

■印象に残った言葉

高崎さんの言葉の中で、特に印象的だったものを紹介します。

最近のクリエーターは「最近仕事がつらい」と言う人が多い。
そして企画の人に聞いてみてもやっぱり「最近仕事がつらい」と言う。

仕事全体が、
ビッグデータにマスト仕事をやりなさい!と言われているような感じがして
みんなを疲弊させてしまっている。
この状況に振り回されていてはならない。

Webに当てはめて考えると、媒体の特性上、
作る側には常に、数字・データ・口コミなどのダイレクトな結果がついて回ります。
しかしそういった結果や結果を出すことに捕らわれてしまい、
クリエイティブの行為そのものが制限され、
作る側が疲弊してしまっていては良い状態とは言えません。

では、そんな世の中だからこそ、
私たちが「クリエイティブ」と向き合うために忘れてはいけないことは何でしょうか?

今、ソーシャルの世界では、みんなが「いいね!」を押していると
なんだかそれだけで良いもののように錯覚してしまう。

クリエーターが本当にたどり着かなくてはならない良いものと、
世間の人が「いいね!」をするものにズレがでてしまっている。

ものを作る人たちは、
「いいね!」を押されるためのものを作るのではなく、
本当に良いものを追って新しいステージにみんなを連れて行く
意識が必要だ。

最後の「新しいステージにみんなを連れて行く意識」という言葉が
非常に大切な言葉に感じました。

高崎さんのようにCMを作る人たちも、
Webでのバイラルやいいね!数の獲得を常に気にして作業をしているそうです。

しかし情報があふれる現代でも、
「クリエイティブに携わる人」としての意識や誇りの軸をぶらさずに、
人を感動させるものを生み出すし続けることができる高崎さんの姿勢に
とても感じるところがありました。