Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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日付- 2013年04月09日

【こっこ通信第1回】HOUSE VISION「編集の家~東京R不動産×蔦屋書店」レポート

こっこ通信

こっこデザイナー2人が日々勉強しているデザインのこと、
展示のレポートなどをお届けするレポートです。


こんにちは。今回からぴよぴよ通信改め、こっこ通信となりました。
3月9日(土)、代官山 蔦屋書店で行われた
『編集の家~東京R不動産×蔦屋書店 HOUSE VISION 出展テーマ~』というトークセッションのレポートです。


【目次】
■HOUSE VISIONとは?
■トークセッション内容
■所感


■HOUSE VISIONとは?

「新しい常識で都市に住もう」理念のもと、
人々の暮らし方を具体的に提示するために作られた情報発信と研究のプラットフォームです。
無印良品のアートディレクションでも有名な原研哉が中心となって運営しています。
2013年3月に、HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITIONがお台場で開催され、
これまでにない規模の、多種多様な企業とクリエイターが作り出す、
新しい「家」のあり方を問いかける展示が行われました。

今回は、そのHOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITIONのイベントのひとつ、
トークセッション『編集の家 ~東京R不動産×蔦屋書店 HOUSE VISION 出展テーマ~』に参加してきました。


■トークセッション内容

【東京R不動産紹介】
不動産のセレクトショップであり、同時に全く新しいタイプの不動産メディアです。
普通の不動産紹介では拾いきれないような、物件の隠れた魅力を掘りおこし、
居住者が本当に求めている空間に、よりマッチングする家のあり方を提案しています。

《物件検索方法》
RealTokyoEstate-東京R不動産-
上記サイトを見ても分かるように、いわゆる不動産サイトとは物件のアピール方法が異なります。
メインメニューに記載されているのは「水辺/緑」「お得なワケあり」「倉庫っぽい」などです。
「築年数」「最寄り駅」「家賃○○万円以内」などの、物理的・実質的な情報ではなく、
「住む人の要望」から物件を探していくような作りになっています。

《家のリノベーションをユーザーに委ねる》
従来、家を提供する時は、オーナーが物件を奇麗に整えてから売り出していました。
しかし東京R不動産では、基本的に既存の物件に手を加えないままで紹介し、
ユーザー自らがリノベーション(再生)できるような仕組みを提案しています。
最近のユーザーは住空間への関心も非常に高く、
それに伴い住空間を作り上げるセンスも非常に高い水準まで達してきました。
東京R不動産では住宅リテラシーの向上に伴い、
「誰もが自分流の住空間を自分で編集して実現していく」という、
「家の編集権の移行」を唱えています。

【東京R不動産が提案する「編集の家」】
今回、HOUSE VISION 2013 TOKYO EXIBITIONでは、
「編集権の移行」という思想をベースとした
「編集の家」の展示を行っています。
従来の「家を一戸、まるまるパッケージ売り」ではなく、
住宅リテラシーの高いユーザーがパーツ化された商品を組み合わせて、
自分の欲望により近い空間を作り上げる仕組みの提案です。

家の展覧会「HOUSE VISION」にて『編集の家』を建てます。(後編)

例えば、「キッチン×デスク」では、家の中央に巨大な机を配置します。
従来であれば、「リビングには食卓机を」「子供には子供部屋に勉強机を」「お父さんには書斎にPCデスクを」という
固定観念で、部屋も、家具もたくさん増殖させなくてはなりませんでした。
そしてそれでは、家族はバラバラの部屋に閉じこもる状態になり、交流も少なくなります。
ところが、家の真ん中に大きなデスクがあったらどうでしょうか?
そのデスクの上で、食事も、仕事も、勉強もすべてを行えるようにすれば、
空間も無駄にする事なく、さらに家族の一体感もより自然と密なものになるのです。
言われてみれば確かに「それもありかもしれない」「今まで、そんな事考えた事なかった」というような
新しい発見や自分の無意識の固定概念に気づかされます。

トークセッション中、こんな言葉が印象的でした。
「固定観念に捕らわれた空間構成を問い直し、新しいあり方を模索していく方が、
何千万円という高い資金をかけた高級物件を建てる事よりも、
より幸せな空間を生み出せそうではないか?」

また、次のようなお話もありました。
「ユーザー自身が、家作りのプロセスを楽しみ、
自分で考え、作り出し、そしてその過程すべてが<愛着主義>を生み出す。
その人間的な空間や手の質感が、人生を豊かにしていくのではないか」

これからの時代、
一般の人には、
生活も、仕事も、人生そのものも、
価値観の軸を自分自身で作る力が求められ、
またモノを作る側には、
一般の人の価値観の軸支えになる、
プラットフォームの提案が求められているように感じました。

■所感

今回のトークセッションを通して考えさせられたのは、
固定概念に捕われない、自らの価値観を提案する事の重要性です。
そしてその価値観は、「人の暮らしを豊かにするためのもの」である事がポイントです。

東京R不動産の仕事を見てみても、
ただ「ユーザーにカスタマイズして家を作る仕組みを作る」だけではなく、
「東京R不動産が考える、これからを生きる人のための豊かな暮らし」への思想がしっかりしているからこそ、
ユーザーも東京R不動産に共感するか否かの判断ができ、
ユーザー自身に委ねられている範囲が明確化され、
安心して自由に自分だけの空間を作り上げていけるように感じます。

設計の技術、デザインの技術、ビジネスのテクニック…など、
各ジャンルの新しい提案を生み出す前にはもちろん必要ではありますが、
そのもう一歩先に、世の中を豊かな方向に動かしていくようなアイデアや発想力を持った人材は、
情報やモノのあり方が飽和しているこれからの時代に
より必要とされていくのではないかと考えさせられました。