Reports レポート

ニフティクリエイティブデザイン部の部員が参加した、「セミナー」や「展示会」のレポートです。

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担当- 加治 洋美

日付- 2013年11月25日

課外学習レポート~「アド・ミュージアム東京」に行って感じたこと~

10月10日(木)、身近にあふれているデザインに触れるために、 クリエイティブデザイン部の課外活動として汐留にある「アド・ミュージアム東京」に行ってきました。

■アド・ミュージアムとは

「アド・ミュージアム東京」とは、広告とマーケティングに関する研究の振興と社会的理解の醸成を目的とする、日本唯一の広告のミュージアムです。
(参照:http://www.admt.jp/introduction/)

■心を打たれたCM『ReBORN』の「DRIVE TO TOHOKU」編について

展示の中で、日本最大級のCMコンクールとして知られている「ACC CM FESTIVAL」の受賞作品がスクリーンで投映されていました。
その中でも、映像に引き込まれるようなストーリー性のある"トヨタ自動車"の『ReBORN』(リ・ボーン)というCMがありました。(※)
(参照 ACC CM FESTIVAL:http://www.acc-cm.or.jp/festival/)

『ReBORN』のCMシリーズは大きく分けて2つあり、木村拓哉扮する織田信長と、ビートたけし扮する豊臣秀吉が主役の「DRIVE TO TOHOKU」編、ドラえもんが主役の「ドラえもん」編があります。

今回私は、日本の震災の現状を取り込んだCMである、「DRIVE TO TOHOKU」編に絞ってレポートします。

このCMは、「2011年に蘇った信長と秀吉が東北地方をドライブする」という設定の『大河ドラマ風ロードムービーCM』です。
かつて日本をまとめていた信長と秀吉が、車に乗って東北を巡り、現代の日本が忘れかけていた、もしくは新たな日本の姿を発見する内容になっています。

「DRIVE TO TOHOKU」編のシリーズには、『いまこそ日本をドライブすることは、 「日本の元気にドライブをかける」ということなんだ』という共通のメッセージが込められています。

このCMの最大の特徴は、トヨタ自動車のブランドのアピール方法です。
CM全体を通して、トヨタ自動車製品をPRするのではなく、最後「TOYOTA」のロゴが現れてはじめて、トヨタ自動車のCMだと気づかされるようになっています。

今回、震災の復旧/復興が十分ではない日本の状況に対して、「自動車の再生」を通して、「日本全体の再生」という問いかけをもたらそうとするCMのあり方や表現が評価され受賞に至りました。

■所感

展示会に行くまで私は、CMとは製品を売るために、製品そのもののPRや魅力を伝えるものであると思っていました。
しかし、このCMを通し、CMのあり方や伝え方の方法について考えさせられました。

私は、生活するために車が必要不可欠である北陸出身です。
車を購入するとき、その車の性能の良し悪しや口コミなどを主な選択基準にしていましたが、今回のCMとの出会いにより、販売企業のイメージも含めた上で車を検討したいと考えるようになりました。

また、世界トップシェアを誇る、トヨタ自動車という企業が商品単体のPRではなく、ブランド全体のPRを行うことは、トヨタ自動車製品全体のPRにつながり、日本経済への影響もより大きなものになるとも思いました。

■最後に

このCMを通して、製品を販売するためには製品そのもののPRも必要ですが、販売企業全体のイメージ、つまり企業が我々の心をどれだけつかむことができるかが最終的なPRにつながることにも気づきました。

CMが我々に何を伝えようとしているのか、世の中の動きを踏まえて、また発信側の立場になって考えてみることで、いつもとはまた違う新たなCMが見えてくるのではないでしょうか。

※トヨタ自動車の取り組み

トヨタ自動車では、時代や年代ごとに企業スローガンを設定し、広告などに展開させています。
企業スローガンとは、「何をしている会社なのか」「何を目指している会社なのか」など、企業理念・事業内容・ビジョンを分かりやすく伝える企業のキャッチコピーのことです。

トヨタ自動車では2011年の震災以降、1984年から1987年に利用していた企業スローガン、「FUN TO DRIVE」(運転の喜び・楽しみ)に、“再び”の意味を持つ「AGAIN」を加えた「FUN TO DRIVE, AGAIN.」を、新たな企業スローガンとして設定しました。

そして今回受賞した『ReBORN』というCMは、企業スローガンをもとにした広告キャンペーンの一環として、作成されたCMシリーズです。